本物を追求する人々

2015.01.28 Update

資産価値のない家を なぜ人々は欲しがるのか!?

「0宣言の家」提唱者 ウェッジグループオーナー 澤田 升男 氏

手造りの家がどんどん少なくなり、

売り手側が簡単に儲かる家が日本中に広まった結果、
家で苦しむ人が増えてきたのです。

私がこの活動を始めたのは、ゴミで造られたような家に住み、苦しんでいる多くの人を見てきたからです。
ゴミと言っては失礼かもしれませんが、注文住宅の壁や床にビニールクロスや合板を張るのは日本だけです。それら内装仕上げ材の合計はおそらく100万円にも満たないでしょう。
ビニールや合板は安く、施工も簡単です。腕のいい職人も、熟練工も必要ありません。造り手にとっては非常に優秀な材料です。しかし、ユーザーにとってはどうでしょう。
劣化が早く、短期間でのリフォームを引き起こしやすい上に、施工に使われる大量の接着剤が出すVOC(揮発性有機化合物)などが原因で室内の空気が汚染され、シックハウス症候群やアレルギー疾患の引き金となることが知られています。しかも、工業製品ですから、自然素材と違って土にかえすこともできません。
ところが、そんな資産価値のない家が、有名ハウスメーカーなら一棟約4千万円。日本におけるいい家とは、「売り手側が簡単に儲かる家」のことなのです。ものづくり大国ニッポンで一体なぜ、こんなことが起こってしまったのでしょうか。
みなさんが、大手ハウスメーカーで家を建てたいと思う理由の一つは、長期優良住宅に代表されるように、「国が推奨しているから」でしょう。また、有名人を起用したCMの印象が強く、「ここなら安心だ」と思っているかもしれません。
しかし、「国の法律は大手メーカーを守るためにできている」と聞いたら、みなさんはどう思いますか?
16年前、住宅業界に「性能表示制度」ができました。これは、「家に使用される部材の品質は、一定が望ましい」と国が定めたものです。その結果、工場でつくられた工業製品が「良い材料」とされ、無垢材のように、強度や、含水率、形が一定でないものは、「望ましくない材料」とされたのです。
また、職人の腕に頼るのも、人によって、あるいは地域によって、力量や造り方が違うことから一定の品質になりにくいと、職人の腕をできるだけ排除した工法が求められました。材料のみならず、施工方法においても「工場化」が支持されたのです。
結論として、工業化製品を多く使用すれば、家の等級が高くなり、補助金や住宅取得税などが優遇されるようになったのです。その最たるものが、今の「長期優良住宅」です。
その成り行きとして、手造りの家がどんどん少なくなっていきました。なぜなら、ユーザーの認識が変わり、工業化製品で造られた家を求めるようになったからです。昔ながらの無垢の家は、隙間ができたり、反ったりするから悪い家だと、次第に敬遠されるようになっていきました。それこそ大手メーカーの思惑通り、「売り手側が簡単に儲かる家」が日本中に増えていったのです。
では、なぜ国は売り手側ばかりが得をする法律を定めたのかと言えば、大手メーカーには、必ずと言っていいほど国土交通省の天下りが在籍しているのです。官僚上がりの国のOBを使い、メーカー側が有利になるよう国に働きかけた揚げ句、ゴミで家を造るような、間違った住宅ばかりが増えてしまったのです。
しかし、ユーザーが「国が認めた家」を望むのですから、地域の小さな工務店も右へ倣うしかありませんでした。というより、何の疑いもなく、メーカー側の戦略にのり、金儲けに走ったという表現が正しいかもしれません。
ところが、隙間のない、高気密で建てられた家に工業化製品が使われると、毒が充満したビニールハウスの中で生活しているようなもので、そこで広がったのが、シックハウス症候群です。世論に叩かれ、国もようやく重い腰を上げたものの、いくつかのVOCが規制されただけで「安心」には程遠いのが現状です。

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工業化製品は一切禁止!「0宣言の家」の始まり

 

ようやく重い腰を上げたものの、いくつかのVOCが規制されただけで「安心」には程遠いのが現状です。

実は、かつての私もそうした家造りをしていた一人でした。お施主様とそのご家族を合わせれば、いまだに顔向けできない人が一万人はいるでしょう。
自分の大きな過ちに気づいたのは、同級生の友達からもらった苦言でした。「大事な話がある」と言われ、軽い気持ちで会いに行ったのですが、彼の口から出た言葉は、思いもよらないものでした。
「お前の造った家はひどい。俺んちなんて、まだ5年しか経ってないのに、もう外壁ボロボロだぞ。結露だらけだし、おまけに寒いし。この間、みんなで集まったときも、口を揃えて同じこと言っていたぞ。こんなごまかしの家を造っていたら、友達がいなくなるぞ」
そう言われて二の句が継げませんでした。なぜなら、紛れもない事実だったからです。私も自宅を同じやり方で建てましたが、7年目に外壁リフォーム、12年目には大規模リフォーム、17年目にはとうとう家を解体しました。さらには3人の娘たちが家のしわ寄せを受け、全員アトピー性皮膚炎になってしまったのです。一番かわいそうだったのは長女です。汚染された空間に一番長く住んでいたからでしょう。もっとも症状が重く、今でも完治していません。

しかし、同級生の一言で、ようやく自分の罪を認めることができました。 そのまま会社へ戻り、「もう絶対にお客様の不利になる家は造らない。今日からビニールクロス、合板、サイディングを禁止する。材料がなければ俺が命がけでつくる。それができなければ、潔く潰れよう!」と社員に告げました。このことは、今も人生最大の英断だと思っています。

一般的に「自然素材の家」「健康住宅」と名乗っていても、実際には接着剤や木工ボンド、また、シロアリ駆除のための農薬系殺虫剤などが使われ、家の中には化学物質があふれています。
さらに、住宅の気密性や断熱性が高くなり、空気の移動を止めてしまうため、24時間換気が義務付けられていますが、機械に頼る対応策は万全とは言えません。
空気の移動が止まると、室内に湿気がたまりやすくなり、冬寒く、夏暑くなることが容易に想像できます。しかし、それだけではなく、浴室や水まわり、押し入れの奥、あるいは、壁内結露によってカビが繁殖し、空気中の胞子を吸い込んで、ぜんそくなどのアレルギー症状を起こすこともあるのです。
では、エアコンで室内の空気を乾燥させればいいかと言うと、エアコン内部もカビが繁殖しやすい環境にあります。繁殖したカビが出す胞子が空気中にばらまかれたら、さらにアレルギーの危険性は増してしまうのです。
「0宣言の家」では、接着剤を一切使わず、床は無垢材、壁は漆喰、断熱材は新聞古紙を主原料にしたセルローズファイバー、ドアは1枚板、防虫剤にはホウ酸を使うなど、徹底的に化学物質を排除した家造りをしています。これだけでも空気がクリーンになり、ひどいアトピーだったお子さんたちの肌が、どんどんきれいになっていきました。これは、本当にうれしかったですね。
しかし、室内の化学物質を除くだけでは足りません。空気の移動を止めないためには、湿気を吸ったり吐いたりしてくれる、「呼吸する壁」が必要だと考えました。その出発点がダブル断熱であり、それが、トリプル断熱になり、今ではクアトロ断熱に進化しています。
詳細は別のページ(P60)に譲りますが、大まかに言えば、断熱性だけでなく、調湿性、透湿性が上がり、強制的に空気を入れ替えなくても湿気がたまらず、カビが繁殖しにくくなったのです。優れた調湿性によって、夏はカラッと涼しく、冬は暖かく、エアコンをほとんど使わない理想の室内環境が実現できました。
私の自宅では、夏はエアコン要らず、冬も小さなストーブ一つで、家全体がしっかり暖まります。

「0宣言の家」では、さらに、電磁波の力を借りて、カビだけでなく、ホコリや嫌なにおいを寄せつけない「生体エネルギー」という技術を使っています。電磁波といっても、携帯電話やレントゲンに使われるような体にとってマイナスな電磁波ではありません。地球の自然界にもともと存在するテラヘルツ波によく似た、非常に細かい振動数を持つ電磁波を壁・床・天井から放射させているのです。
テラヘルツ波は、医療界でも注目の的ですが、体内に取り込むことで、荒れた振動が元へ戻り、健康を促進すると言われています。室内で言えば、活性酸素がつくられないよう、酸素とさまざまな物質から揮発される悪い空気を引き離し、純粋な酸素を保つのです。VOCの値も当然下がります。また、静電気が発生しにくくなったり、生ゴミやペットのにおいがしなくなったりするのです。
「この家に住み始めてから風邪を引きにくくなった」「インフルエンザが感染しにくくなった」という話をよく聞きますが、これも悪性ウイルスが空気中で引き離され、分解されることから起きる現象ではないかと思います。
空気がきれいになれば、自然治癒力も上がり、家に住むだけで健康になれるというのが私の目標であり、願いでもありましたが、ようやく夢が叶い、現実になってきたというのが正直な感想です。
これからは、これが真実であることをデータ化し、みなさんに公開していくことが次のステップであり、私の使命であると思っています。
幸いにも多くの医師がこの家造りに賛同してくださり、ともに研究を進めながら、健康と住まいの関係を明らかにしていくことになりました。今後の発表をぜひ楽しみにしていただきたいと思います。