全国で活躍するベテラン医師が語る カラダに良い本物の家とは

2015.02.24 Update

思いがけない世界観が広がる驚き!出産の感動を建物演出でさらに高める。

にしさこレディースクリニック/西迫 潤 院長

1972年、神奈川県相模原市生まれ。
産婦人科専門医。愛知県・藤田保健衛生大学医学部卒業後、
藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院産婦人科に入局。
研修後、社会福祉法人聖霊会聖霊病院産婦人科などを経て、
2004年、にしさこレディースクリニック院長。
自然分娩を第一とし、安全かつ安心な、地域に密着した産科医療を目指す。

 自然分娩に適した心と体をつくるのが仕事

妊娠・出産は自然に経過することが一番です。当院では、できるだけ余分な医療介入をしない分娩を理想としています。僕らは、その中でほんの少しお手伝いをするだけだと思っています。
その反対で、近頃では、病院側のベッドの都合で出産を早めるための薬を使うところが増えているようです。また、妊婦さん本人が、「つらいのは嫌だ」「早く楽になりたい」と、自分大事さに無痛分娩を希望される方もいらっしゃいます。でも、その言葉に「赤ちゃんのつらさ」は含まれているのだろうか? と思うこともあります。残念ながら、そうした「自分さえよければ」という人が増えてきているのは事実で、促進剤を使う確率や帝王切開の確率もどんどん上がってきています。もちろん必要で使う場合はありますが、それは最後の手段。いかに「そのとき」を見極めるか。医療ではなく、都合で行っていないかというところが大事なのです。最終的に重要なのは、「赤ちゃんを産むこと」ではなく、「母子ともに健康で暮らすこと」。当たり前の話ですが、妊娠中だけでなく、普段から正しい食生活を取り入れ、適度に体を動かしている女性は、お産も比較的スムーズですし、産後の状態もいい。それはお腹の赤ちゃんにとっても望ましいことではないでしょうか。
うちにきてくださった方たちには、「自分が努力しないと、元気な赤ちゃんは産めないよ」とお話しています。特に体を動かすことは重要で、今の世の中は何でも便利になっていますが、たとえば、掃除・洗濯といった家事にしても、掃除機任せ、洗濯機任せで昔の女性のように体を動かすことってありませんよね。また、ちょっとした距離でも車を使ったり、階段よりエスカレーターやエレベーターを選ぶなど、歩く量も極端に減っています。
しかし、自然からかけ離れるほど、先ほど言った薬や機械に頼らないと自然に分娩しにくい体になってしまうのです。母親や祖母など、年長者に相談すると、「妊婦は安静にしていなければいけない」と言われますが、それは、30〜50年前のこと。無理は禁物と思い込んで、家の中でゴロゴロしているだけでは、ますます「産む力」が弱くなってしまいます。
自然で安心なお産をするためのそういった心構えを妊娠期間中に覚えてもらうことが、僕らの最も大切な仕事。お母さんになる準備はもとより、10カ月という長い期間が、一人の女性としても成長する期間であってほしいと願っています。

 

理想は、妊婦さんも僕自身も居心地よく、ワクワクして出産に臨める病院。

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神経質になりがちな出産期に驚きと感動を

ホームページでは、「自然分娩」に対する僕の考え方をできるだけ詳しく述べているつもりです。そこに共感していただき、「ここで元気な赤ちゃんを産みたい」と、当院にお越しいただく方が多いのですが、実際に来てみると、病院らしからぬ外観・内装にみなさん驚かれるようで、「わあ、素敵!」と言ってくださいます。
でも、実はそれが設計のコンセプト(笑)。最近の産婦人科の建物はモダンか豪華、どちらかの傾向にあるのですが、僕はそのどちらにもしたくなかった。フランスの田舎町にあるホテルをイメージし、アットホームな雰囲気をつくりつつも、女性の感性を刺激する少しおしゃれなテイストにし、来るのが楽しみになる病院にしてほしいと依頼しました。
診察室のある1階と分娩室&出産後の個室のある2階のテイストをガラッと変えたのも、妊婦さんに小さな驚きと感動を味わってほしかったからです。ナーバスになりがちな出産期にストレスは厳禁。2階は1階と比べると少しラグジュアリーで落ち着いた空間を意識し、いよいよ出産を迎えて気分を高めてもらうとともに、お腹の中で守り育ててきた赤ちゃんと対面する神聖な気持ちを助長するようなつくりになっています。
また、当院では「カンガルー出産」を行っています。へその緒を切ってもすぐに隔離せず、お母さんのお腹の上にのせると、赤ちゃんは誰が教えたわけでもないのに足を踏ん張り、おっぱいを探し出す。その感動が、母性を自然に目覚めさせるのです。

 

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「好き」の感覚を大事に感情の浮き沈みを減らす

建物でもうひとつこだわったのは、「長く使える病院」であることです。もともとアンティークなものが好きという自分の趣味もあり、使い込むことで味が出てくる素材や家具、インテリアを多く選び、壁の色や柄、床の素材などにもこだわりました。理想は妊婦さんにとっても、僕自身にとっても居心地のよい場所であること。そのために、診察室も自分の部屋のようなつくりにしています。
妊婦さんへの対応で一番心がけているのは、ちゃんと向かい合って話をすることですね。病院というと、医師が背中を向けて、パソコンに向かっているイメージですが、お互いの信頼関係がなければ、長い妊娠期間を気持ちよく過ごすことはできません。また、五感に訴えかけるという意味では、食事も大事。出産後の食事も地のものや無農薬の野菜にこだわり、自宅に帰ってからの食生活の参考にしてもらえればいいなと思っています。。
妊婦さんの住環境としては、「感情の浮き沈みが少ない環境」を選ぶことが大切ではないかと思います。たとえば、僕自身で言えば、白くてツルンとしたものより、自然素材の色や肌触りのほうが好き。そういう「好き」の感覚が体にプラスの影響を与えるのではないかと思うのです。自分にとってどちらの素材がストレスを感じないか。その基準に食事や生活スタイルも合わせていくと、理想の環境が整うのではないでしょうか。

 

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安全で自然な出産を目指し、妊婦さんの「産む力」を引き出すのが仕事。

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にしさこレディースクリニック
〒220-0103
神奈川県相模原市緑区原宿南2-39-7
☎042-782-4135

http://www.nishisako-cl.jp/